看護師のてんこ

おちこぼれても、看護師

保育園の看護師

保育園の看護師として働いていたことがある。

正社員である。

グループの保育園で、一つの園に1人の看護師が配属。

その園では、看護師は0歳児クラスにつく。もちろん保育士と一緒である。

園の児童の健康状態にも気を配り、毎月保健のおたよりを作成する。

遠足の付き添いをする。

医師の診察にも付き添い、歯ブラシ、手洗い指導も実施した。

児童の頭のしらみ探しやら、湿疹がです、医師の診察はいりますか?と

呼ばれた。

前の保育園看護師の公認として、歯ブラシを太陽に天日干しやらも付き合うが、

エビデンスまではわからず、本当なのか?という心境でやっていた。

私に子供はいないので、子育てしていたらまだわかっただろう。

これは私が資格を取得したてで、看護師の仕事も、一般の人が看護師に何を

期待しているかもわからなかったころのことだ。

子供、特に0歳児のかわいらしさは際立っていた。

子供を取り巻く、親や祖父母のかわいがる様子は見ていて心が和らいだ。

半面、発達障害児を担任が選び出し、園外の施設にも通わせることをしていて、

児童を取り巻く環境が、私の頃と違って厳しくなっているような気持になった。

仕事としては、きつくはない。

だが、なにか児童に起きたときが怖い。

その後数年をへて、コロナ関連の保健所業務をしている時に、

保育園でクラスターを耳にして話を何度も耳にして、

現場の辛さはさぞかしだろうと思った。

その園ではお給与は安かった。手取りが20万円に届かなかった。

SMSで保育園看護師の金額が高い人がいるが、公立なのだろうか。

なにより他に看護師がいない。

園長に相談できるが、異業種である。

判断はしなければならない。

また私の中で看護師として、本道から外れる、という想いがあった。

定年退職した前の看護師が、"看護師には足らない仕事なんです”と

新米保育園看護師の私のことで園長と話した時に言っていたそうだ。

本業ではない、という想いが私にはあった。

つまり、看護師の仕事をし終わった人ならいいのでは、と思った。

 

ここは、准看護師では園に補助金がでないということが判明し、

辞めることにした。

その後、派遣で准看護師でも可と、保育園の話があった。

クラスも持って欲しいということで、仕事が決まったが、辞退した。

 

今思っても、看護師の職場とは雰囲気がだいぶ違う。

昨今、保育園の虐待のニュースがある。

私がいたところは、子供のことを想っていたと感じたし、

病院と違い、看護師同志の陰惨な空気とは違う感じがした。